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  2014-02-06


メイキング_20 リップの強度ずら

2月に入りまして、暦ではもう立春。

・・・毎年思いますが、春らしい要素は見当たらないので

もうちょっと後にしませんかねぇ? 春とか言いだすのは・・・


さておき、前回浸水実験の報告をさせていただきましたが、

もう1項目、どうしてもデータとして残しておきたいことがございまして。


リップの強度。(リップとはルアー前方に付いているべろ~んとした板の事です)

市場で出回っているウッド製プラグ(本体に溝を掘ってリップを差し込んだ製品のみ)

のダントツのトラブルといえば、これじゃないでしょうか?

 「ご使用中にリップが取れてしまった場合には無償で補修いたします。
 尚、弊社へお送り頂く場合の送料につきましては、お客様のご負担と・・・」

よく目にするフレーズですね。

確かに樹脂製一体型リップのものよりはどうしても強度は弱くなります。

溝を掘って差し込み接着・・・が一般的ですから。


強度と言っても2通りございまして、

1つは、はずれ・脱落。

もう1つは、破損・折れ。

今まで製作した中でも、模型用接着剤で仮止めしたものや、

何度も障害物に当てたものに関して、リップのはずれは確認しています。

破損、折れは過去1本もありません。(先端の磨耗は当然あります)

ちなみに現在使用しているリップは、1㎜厚のポリカーボネート製で

リップの溝堀りも機械切削です。ポリカの厚みとほぼぴったりの溝を切削できるので

保持力は強く、もっと言うとフロントアイで位置決めして切削するので位置・距離が狂う事はありません。
(切削機の繰り返し精度内でずれる事はあるでしょうが・・・)

実際に機械切削での工程に切り替える前は素手で取ろうと思えば取れましたが、

現在の工程のものを素手で取ろうと思ったら・・・・自分には取れませんでした。



・・・とごちゃごちゃ言ってないで実験してみたいと思います。

今回は、主にリップのはずれ・脱落に関するデータを取得したいと思いますが、

一応破損・折れの実験もしてみたいと思います。


今回、リップの取り付けにそれぞれ違う細工をした新品未使用品のテストピースを4つづつ用意。

バイスにルアーを固定し、

IMG_0735_2 2014_02_05_1

リップにベルトを横から引っ掛けます。

IMG_0737_2 2014_02_05_2


次にその先にバネばかりを引っ掛けて・・・

IMG_0722_2 2014_02_05_3
IMG_0725_2 2014_02_05_4


ぎゅい~んと引っ張ってみます。

今回、MAX4000gのバネばかりを使ってみましたが・・・

IMG_0732_2 2014_02_05_5


お!? 振り切っちゃった!

次はどうか・・・

IMG_0745_2 2014_02_05_6


こいつも振り切りました。

結局4つ全て、横方向からの4000g以上の荷重に耐えてしまいました。

これ以上強いバネばかりは・・・・・・あった。

IMG_0755_2 2014_02_05_7


MAX100Nのやつが。

単位は違いますが、1N=約0.1kgfということで計算すると

ほぼこの秤の40Nが今までの4000gに相当することになります。

さて秤を交換して再スタート。

ぎゅい~~~~~ん、と・・・・引っ張ってぇ・・・(手がプルプルしてます)

秤が60Nを指す手前で・・・パチーン!

取れました!(いやいや、喜ばしいことではない)どっか飛んでっちゃった。


さて次、・・・こちらも60Nを越したところで・・・パチーン!


残る二つも、60Nと70Nということで結果が出ました。

IMG_0756_2 2014_02_05_8




さて次は破損・折れの実験です。

今度は縦方向にベルトを引っ掛けて

IMG_0747_2 2014_02_05_7


同じようにぎゅい~ん・・・・

秤が3500gを越したあたりでリップがくにゃっと。(外れてしまったので写真は撮れませんでした)

IMG_0752_2 2014_02_05_8


こちらも同様に4つ全てが3500~4000g内でリップが曲がりました。


結果をまとめますと

 結果① 横方向の荷重は、最高約7000gから最低でも約5800gまで耐えられる事を確認

 結果② 縦方向の荷重は3500gが限界

となりました。

結果②の数値は構造上の強度ではなく、1mm厚のポリカーボネートをリップとして

使用した場合の単体での限界値になります。

これまで数百本作ってきて折れたことは一度も無いのでこれは強度的に見ても良しとします。

(水深10cm程の流れで底にゴリゴリこすりつけるような使い方をしなければ・・・
また、経年劣化による弾性の低下が起これば折れることも十分あり得る・・・
これについては今後もデータをとって試験してみたいと思います。)


結果①についても、

実際使用していてはずれ・脱落が頻繁に起きるようでは困りますが、

現在の製作工程で悩まされた事は無いので一旦良しとします。

ただし、やはり接着剤の劣化により半永久的な保持力確保は今のところ難しそうです。

手間も掛からず永久的に保持できる方法が見つかりましたら工程の見直しをしたいと思います。



今回このような形で実験してみましたが、

実際の使用上でこのようなリップのみに負荷がかかることは

恐らく無いと思われます。はずれ・脱落したとしても、

横・縦・あらゆる方向からの複合的な負荷、さらに振動などがありますので

取れてしまったからといってこの力が作用したとはなりませんが。

まあ参考までにですね・・・


ところで結果として数値が出たはいいが・・・

その値って現実的にどんなもんじゃ?

ということで岩に当てた状況を想定して調べてみる。

え~・・・

「質量 m[kg] の物体が、速度 v[m/s] で、t秒間 [s] 壁に衝突した場合の力の大きさは

F [N] = { m × v } / t  」

だそうで、仮に当てはめますと

ルアー 0.0037kg(フック込み3.7g) が、速度 27.8m/s(時速100km/h) で、0.01 秒間壁に衝突したときは

{ 0.0037×27.8 }/0.01= 10.286[N] ≒ 1.00kgf

・・・とここまで調べたときに素人がこんな計算ができるわけがない事に気付かされる。

本当の最大衝撃力を弾き出すにはまだ必要な値があるらしく

跳ね返り係数やら物質の弾性変化量、衝撃突入角、跳ね返り後の角度や速度・・・・?

・・・そんなもん設備と時間、何より知識が無きゃわかんねぇずら!・・・

ということでざっくりとした数値が分かっただけ良し。




ということで実験終了。

お付き合いいただきありがとうございました。

は~長かった・・・


(あ・・・ちょっと気になった事があるのでまた後日ご報告しま~す)

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No title

すごい実験してますね…
そして、ものすごい強度じゃないですか!
それと…作ったルアーをこうして実験に使う…私にはできない~^^;

私もリップ取り付け周りを少し手数を増やして^^;、きっちり接着できるようにしていますが…きっとここまでではないだろうなぁ~

でも、(想像ですが…)水中では5000gとか、もっと強い力が、「瞬間的に」かかっているのではないか?ともちょっと想像しています。
とれる時って、ホントあっさり…ですよね…

No title

いちさん

今回は4個しか実験できなかったので、あくまでおおよその数値という認識ですね。
本当は50個くらい実験したいのですが・・・。

水中での負荷・・・気になりますね~。
水流の負荷となると、
「それを受け止めて動きへと活用する」のか、
「受け流す」のか、ボディ形状が大きく影響するところでしょうか?

そして今回実験したルアーは・・・もちろん自分で使いま~す。

No title

あぁ~。。。。
頭が痛くなってきた・・・笑
リップ強度は絶対に高くないと、すぐ破損しますからね。
外れて、脱落が一番なのかな??
にしても、いつ見ても綺麗なルアー・・・・。

No title

釣り吉さん

文才無い人間が長文を書くもんじゃありませんね・・・
書いてて自分も頭痛がしてました・・・

やはり脱落が一番多いのではないでしょうか?
100%回避は無理にしても少しでも減ればいいですね~

お褒めの言葉、ありがとうございます。
外観はまだまだ修行が必要と痛感しております。
もっともっと綺麗に作られる方、たくさんおりますので
その方たちを参考にがんばります!
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(株)南安精工が管理、運営するblog。機械切削による渓流用バルサミノーでの釣行を中心に日々を綴ります。

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